● 絵画

2017年5月24日 (水)

堀の中の名画、山海頌図(さんかいしょうず、山の恩、海の恩)、棟方志功、金沢刑務所、とは(2017.5.24)

 金沢刑務所((金沢市田上町)の講堂には、版画家・棟方志功(1903~75、青森)が手がけた一対の油絵が、「塀の中の名画」として、受刑者の暮らしを静かに見守っています。 

 棟方は、終戦間際の1945(昭和20年)年4月、富山県南砺市(もと福光町)の光徳寺住職らの招きで福光に疎開、約6年8カ月を過ごしました。 

 東京へ戻る直前、知人の金沢刑務所職員が、当時は金沢市小立野にあった刑務所の講堂に飾る作品を依頼しました。

 1952年(昭和27年)6月、棟方は、刑務所内の職員待機所にこもり、わずか1日で、80号2枚の大作「山海頌図(さんかいしょうず)、山の恩、海の恩」を描き上げたという。

〇 山の恩

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                          山海頌図 山の恩 

  山海頌図「山の恩」は、青い山を背にした大樹を中心にタンポポやヒマワリなど春夏の花々が咲き乱れる風景です。

〇 海の恩

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             山海頌図 海の恩

 山海頌図「海の恩」では、灯台がたたずむ海辺の遠景とともに、秋冬の草花の中でフクロウやキジなどが憩う風景です。

 これらの作品は、一見、ユートピアを思わせる穏やかな風景です。が、見る者からは、画面手前に描き込まれた、装飾的な白い鉄柵によって、隔てられています。 

 南砺市立福光美術館、元館長補佐で、版画家の尾山章さん(73)は、「出所後の希望の世界、夢の世界としての彼岸や来世、全部を含んでいるのでしょうね」と話す 

 金沢刑務所で暮らす受刑者たちは、1日30分の運動時間などに講堂に集まります。棟方が「受刑者の心の糧に」と願った名画は、償いの日々の思いでにささやかな彩りを添えるに違いない、とのことです。

(参考文献) 

〇 朝日新聞、1917年(平成29年)5月17日、田中ゑれ奈、探訪 展知 ひと、金沢刑務所、「心の糧」添える彩り、棟方志功が手がけた「堀の中の名画」、「山海頌図 山の恩」、「山海頌図 海の恩」、金沢刑務所(金沢市田上町)

〇 朝日新聞デジタル(棟方志功に関するトピック):http://www.asahi.com/topics/word/%E6%A3%9F%E6%96%B9%E5%BF%97%E5%8A%9F.html

(参考資料)
〇 光徳寺(真宗、南砺市、富山): https://www.city.nanto.toyama.jp/cms-sypher/www/info/detail.jsp?id=4296
〇 南砺市立福光美術館(世界のムナカタがわかる美術館、富山):http://nanto-museum.com/message/

2016年10月26日 (水)

紅葉の襖絵、長谷川等伯の楓図 (国宝 1592年頃 智積院 京都)、とは(2016.10.26)

 安土桃山時代の絵師、長谷川等伯(はせがわとうはく、1539~1610)は、能登半島・七尾(石川県)の生まれで、はじめは、30年余り、信春(しんしゅん)と名乗り、能登の地方画家として仏画を中心に肖像画など描きました。 のち京都に出て、独自の画風を創造して、御用絵師として隆盛を誇った狩野派に対抗する画業を築きました。

 紅葉の楓図(国宝)、智積院(京都)の襖絵は、1592年(文禄元年)頃、長谷川等伯が描いたものです。 中心に矍鑠(かくしゃく)たる楓の太い幹が描かれており、 その幹の下に散る楓の葉の美しい造形、 そして根本の鶏頭や白菊、葵の花も美しい!楓の幹も、まさに55歳の油の乗り切って、精神力と知力に溢れる、等伯自身、そのものという。

 〇 長谷川等伯の楓図 (国宝)

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長谷川等伯の楓図 (国宝 1592年頃 智積院)、厳粛な美につつまれており、正座し心を落ち着けて見る感じで、 その凛として律としての厳しい美に 圧倒されます。

〇 智積院 (京都) 

智積院(真言宗) 講堂の襖絵と中庭  、京都市東山区東大通り七条下る、YouTube(love nikon): https://youtu.be/zCBrzy6_sVY、智積院、宝物紹介(国宝障壁画): http://www.chisan.or.jp/sanpai/houmotsu/

(Link)
 〇 長谷川等伯(はせがわとうはく、安土桃山・江戸初期の絵師)、能登の七尾から京の都へ、壮麗な金碧画から水墨画の世界へ、画風の変化をもたらした人生の出来事、とは (2011.10.7):http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/2011107-4750.html

(参考資料)

〇 日本の美、秋の紅葉、傑作紅葉画の競演、1~6 (いづつやの文化記号):
http://izucul.cocolog-nifty.com/balance/2010/11/post-a9d7.html

 

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