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2018年1月18日 (木)

伊藤若冲、雪中の名作、動植綵絵(雪中雄鶏図、雪中鴛鴦図、雪中錦鶏図)、代表作、仙人掌群鶏図襖、名作誕生ーつながる日本美術、とは(2018.1.18)

 厳冬の季節、先日の大雪の最中、ふと雪景色の名画が思い浮かび、何気なく調べたところ、日本美術史上の名作と呼ばれる若冲の雪中動植綵絵(雪中雄鶏図、雪中鴛鴦図、雪中錦鶏図)、代表作、仙人掌群鶏図襖などが目に留まりました。

 伊藤若冲(いとうじゃくちゅう、1716〜1800)は、京都生れ、江戸中期の画家。はじめ狩野派、のち中国(宋、元、明)の古画を学び、さらに対象の実写に努め、尾形光琳(1658~1716)の装飾画も取り入れ、動植物画に写生的な装飾画の新風を開きました。

 特に、鶏(ニワトリ)の巧妙な絵で名高い。代表作は、30歳ころから約10年かかって完成した、動植彩絵(どうしょくさいえ)30幅(宮内庁 三の丸尚蔵館蔵、東京)、仙人掌群鶏図襖(さぼてんぐんけいずふすま、西福寺蔵、大阪)。 

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雪中雄鶏図(せっちゅうおんどりず)、署名は景和。若冲30代前半の作品、細見美術館蔵(京都)

 降り積もる雪の中、餌を探して佇む鶏を描く。鶏(ニワトリの雄)の朱のとさかや漆黒の尾羽が鮮やかに映える。一方背景の溶けた雪がまた固まったような、奇妙な雪の連なり、ジグザグに折れ曲がる竹など、後年発揮される彼の作風の萌芽をすでに見出すことができる。

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伊藤若冲(いとうじゃくちゅう、1716〜1800)、江戸中期の画家、名は汝釣(じょきん)、字は景和、号は若冲のほか斗米庵(とべいあん)。若冲の号は、禅の師であった、禅僧、大典顕常(相国寺)から与えられた居士号。

 京都の青物問屋の長男。40歳で家業を弟に譲り(隠居!)、以後画業に専心。以後、独身で、85歳の長寿を全うしたが、中国絵画の影響を強く受け、身近な花鳥などを主題に奇想ともいえる超現実的な多くの名作を残している。 


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雪中鴛鴦図(せっちゅうおしどりず)、左上に宝暦巳卯仲春若冲居士製、1759年(宝暦9年)2月作、宮内庁 三の丸尚蔵館蔵(東京)

 雪の降り積もる冬の川辺に暮らす鳥達を描く。鴛(オシドリの雄)は石の上に片足で立ち、鴦(オシドリの雌)は水中に頭を突っ込み、尾羽を外に出している。雪の降り積もった柳の枝には、3羽の色鮮やかな雉鳩たちがとまっている。大典和尚の書いた詩文、藤景和画記では、寒渚聚奇(かんしょしゅうき)という題名が付いている。

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雪中錦鶏図(せっちゅうきんけいず)、1761年(宝暦11)〜1765年(明和2年)頃作、宮内庁 三の丸尚蔵館蔵(東京)

 雪化粧した榧(かや)の木を背景に、雪に包まれる牡丹と2羽の錦鶏鳥を描く。錦鶏鳥は、中国やチベットの山地に生息するキジの仲間で、鮮やかな色彩が特徴である。雄が全身を見せているのに対して、雌のほうは、雄の陰にかくれて上半身のみを覗かせている。この絵の最大の特徴は、幻想的な世界を演出する、粘り気を感じさせる、濃厚なまでの雪の表現である。

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仙人掌(さぼてん)群鶏図襖(ぐんけいずふすま)、襖絵六面、若冲晩年の傑作。1789年(寛政元年)作、重要文化財、西福寺蔵(大阪)

 天明の大火に遭った後、一時的に滞在した大阪の鰻谷で薬種問屋を営む数寄者、吉野五運の依頼によって同家の菩提寺(西福寺)の襖絵として制作されたと伝えられる

(参考資料)

 〇 「名作誕生-つながる日本美術」展 「だれもが知る」が勢ぞろい(朝日新聞デジタル、2018年1月5日11時41分):http://www.asahi.com/event/SDI201801050702.html; 同上(2018年4月4日、朝日デジタル):http://meisaku2018.jp/

 〇 伊藤若冲絵画作品と所蔵美術館いとう じゃくちゅう  1716. 3. 1 (正徳06. 2. 8) - 1800.10.27 (寛政12. 9.10) : http://kininaruart.com/artist/nihonga/ito_jyakuchu.html

〇 文正「鳴鶴図」 原本

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重要文化財 文正「鳴鶴図」 中国元〜明時代(14世紀) 京都相国寺蔵

〇 陳伯冲 松上双鶴図 原本

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陳伯冲 松上双鶴図(日下高声)」 中国明時代〜16世紀、京都・大雲院蔵

〇 狩野探幽「波濤飛鶴図」 模写

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狩野探幽「波濤(はとう)飛鶴図」 江戸時代 1654年 京都国立博物館蔵

〇 伊藤若冲 「白鶴図」 模写

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伊藤若冲「白鶴図」 江戸時代 18世紀 個人蔵

(解説) 中国絵画の模写として、手本となった中国絵画は、元〜明時代の画家、文正の「鳴鶴図」。右に飛翔する鶴、左に蔓の立ち姿を描いた対幅だ。若冲の模写は左右両方が、探幽の模写は右幅が残る。

 文正の原本や探幽の模写に比べ、若冲の鶴は翅の部分などが線を主体に描かれ、透き通る感じが強い。「原本の自然らしさよりも、形そのもののおもしろさが前面に出ている」という。背景には陳伯仲による別の絵画などからの引用も見られる。これは、模写が創造であり得ることを如実に物語っている、という。

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