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2017年11月の9件の記事

2017年11月28日 (火)

樹木公園の紅葉と雪吊り〈11月26日)、イロハモミジとメタセコイヤが織りなす紅葉、ツツジの竹又吊りの風景、とは(2017.11.28)

 先日(11月26日)金沢は、晴れ、気温2~16℃と少し寒かったのですが、いつものように、白山麓の杉森の湧き水を汲んだ後、曇ってきましたが、寄り道して、樹木公園(石川県林業試験場内)へ紅葉狩りに出かけました。
 
 園内では、多彩に色づいた木々(約800種、1万5000本余り)の中でも、イロハモミジ(カエデ科)とメタセコイヤ(スギ科)が織りなす紅葉、また、ツツジの雪吊り(竹又吊り!)も目に付き、しばらく眺めを堪能した後、その美しい風景をデジカメに収めました。

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イロハモミジ(カエデ科)とメタセコイヤ(スギ科)が織りなす紅葉の風景

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イロハモミジ(カエデ科、日本、中国、台湾に分布)の紅葉、葉の1枚1枚で微妙に色合いがが異なり、美しさを引き立てている。名前は葉の裂片を「いろはにほへと」と数えたことに由来するという。

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イロハモミジとメタセコイヤの落葉と木々の間の小さなせせらぎ

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メタセコイヤ(スギ科、中国南西部に分布)の赤褐色の紅葉、1945年に中国四川省で発見され話題になり、「生きた化石」という珍しさから、公園樹や街路樹として植えられている。

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樹木公園広場と記念碑の周りのツツジの生垣の雪吊り(竹又吊り)の風景、第34回全国植樹祭 お手まき記念碑 昭和58年12月 石川県知事 中西陽一


(Link)
 〇 樹木公園の花見(4月16日)、白山連峰のふもと、県林業試験場、サクラ180種、約900本、ツバキ140種、約850本の花咲く、カタクリ、とは(2017.4.18): http://kanazawa-kuratuki.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/416180900140850.html

2017年11月24日 (金)

スパコン超える量子コンピューター、初の国産機開発に成功し公開、国産計算機「量子コンピューター」と呼ばず  内閣府「国際定義定まっていない」、とは(2017.11.24)

 国立情報学研究所や理化学研究所、東京大学、NTT物性科学基礎研究所(神奈川県厚木市)などの国のプロジェクトチームは、内閣府の研究支援制度を使い、2017年(平成29年)11月20日、スーパーコンピューターをはるかに超える高速計算ができる、国産の「量子コンピューター」を、光ファイバーとレーザーを組み合わせた独自の方法で開発し、その試作機を公開した。

 基礎研究は、1980年(昭和55年)年代に始まり、日本の業績も世界的に評価されている。が、実用化では米IBMやグーグルなどが先行。カナダのD-Waveシステムズは2011年(平成23年)に一部実用化し、米航空宇宙局(NASA)などが活用している。

国産初  量子コンピュータの開発に成功、NHKニュース(2017.11.20  3:54):https://www.youtube.com/watch?v=dGgpHDdbYlg

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公開した量子コンピューター、パネルに2000ノード(ネットワークの節点)のMAXCUT(最大カット)問題の入出力情報を示した様子。左側 問題を入力した状態、右側 計算結果。神奈川県厚木市、2017.11.20

 量子コンピューターは、光ファイバーの回路の中でレーザー光の「粒」(光子!)を多く発生させ、どのような状態で光の収まりが最も良くなるかを見ることで、答えが導かれる仕組みである。また、試作機の冷却は、大型電子レンジ程度の1キロワットで済むという。連続での作動時間も、熱が伝わりにくい箱に入れるなどして、実験段階の10分から24時間まで延ばすことに成功した。

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 従来のスパコンで使われるソフトウェアは使えず、開発に必要な専門家は不足している。このため、ケンキュウグループは、試作機の段階で企業や研究機関に量子コンピューターを使ってもらい、そこで得た技術の開発や人材育成につなげることにした。

 一般の人も使えるように、11月27日から、インターネット上でシステムを公開し、専用サイト(https://qnncloud.com/)で申請すれば利用できる。世界的な開発競争が進む中、試作段階で公開して改良につなげ、2019年(平成31年)度末までに国産での実用化を目指す。

 これには、人工知能や新薬の開発、交通渋滞の解消、無線通信など、様々なネットワークを効率化など莫大な需要が見込まれている。(朝日新聞:2017.11.20、北陸中日新聞:2017.11.21)

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 〇  数字(大数、小数)と図形(黄金比、白銀比)にまつわる歴史実話、東洋、西洋の思考、感性の違い、デジタル(二進法)とアナログ(フーリエ解析)のコンピュター(計算機)、とは(2009.9.5): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/200995-2f40.html

(追加説明)

〇 量子コンピューター

 国産初の「量子コンピューター」は、NHKニュースによると、全長1kmのループ状の光ファイバ-に、レーザーで量子である光の粒(光子!)を大量に入れ、超高速で回転させ、複雑な組み合わせの問題を解くのに応用した。

 従来のコンピューター(スウィッチのON・OFF、光の点滅!)は、データを「1」か「0」のビット単位で小さな半導体に記録する。

 一方、量子コンピューター(電子、光の粒(光子)の超高速回転!)は、電子や光子などの「重ね合わせ」と呼ばれる現象のおかげで、量子ビット(キュービット)が同時に2つの状態でいることができる。 これは、「1」と「0」を同時に保持するので、2つの量子ビットであれば、「00」「01」「10」「11」の4つの値を記録でき、超高速計算が可能となる。

 光ファイバーに異なる波長のレーザー光を2千回流し、光がお互いに干渉(かんしょう)しあう中で模擬的な「重ね合わせ」の状態をつくり、これを使って計算する。

 多くの選択肢の中から最もいい組み合わせは何か、という特定の問題を解く計算に強いと言われている。

〇 量子コンピューター 新方式? 日本から発表 定義めぐり議論  海外の装置商品化も  朝日新聞(デジタル): https://www.asahi.com/articles/DA3S13402896.html

 超高速計算の実現が期待される量子コンピューター。その一つとして日本の研究チームが発表した「QNN]は、これまで考えられてきた原理とは異なる方式で、研究者から異論が相次いだ。定義をめぐる議論が始まる一方、国内外で様々な方式の研究が進む。(朝日新聞、2018.3.15)

〇 国産計算機「量子コンピューター」と呼ばず  内閣府「国際定義定まっていない」  朝日新聞(デジタル): https://www.asahi.com/articles/ASL3R2S5QL3RULBJ001.html

 NTTや国立情報学研究所などが開発した計算機「量子ニューラルネットワーク(QNN)」について、内閣府は当面、「量子コンピューター」と呼ばないことを決めた。国際的な定義が定まっていないためで、今後も研究を続ける。これは、QNNには従来のコンピューターと同様の電子回路が組み込まれており、「量子コンピューターではない」という指摘が研究者から出ていた。こうした議論を受け、内閣府は専門家7人の意見をまとめた報告書を公表。また、国際学会では、量子コンピューターの定義の議論が続いている。(朝日新聞、2018.3.24) 

2017年11月22日 (水)

兼六園の秋のライトアップ、紅葉のモミジと唐崎松の雪吊りの幻想的な光景、とは(2017.11.22)

 兼六園では、11月17日(木)、秋のライトアップが始まり、多くの人々が訪れている。これは、秋の紅葉と冬の風物詩の雪吊りが重なる恒例の催しで、11月17日(金)~12月9日(土)、午後5時半~9時まで、一般の入園は無料となる。

 園内の霞ヶ池では、暗闇の中で光に照らし出された、秋の紅葉のモミジの木々や、冬の雪の重みから枝を守るため、縄が円すい状に張られた、唐崎松の雪吊りが、暗闇に浮かび、また、水面にも映り、何とも言えない幻想的な風景となっている。

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 紅葉の中、ライトアップされた唐崎松(からさきのまつ)の雪吊り、兼六園(金沢市)、11月16日午後6時半(毎日新聞)

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ライトアップされ、霞ヶ池に映った紅葉と徽軫(ことじ)灯籠、兼六園(金沢市)、11月17日午後6時13分(北陸中日新聞)

(Link)

〇 冬の風物詩、兼六園の雪吊り、霞ヶ池のふちの最も枝ぶりが見事な唐崎松、とは(2016.11.29):http://kanazawa-kuratuki.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-865a.html

 

2017年11月20日 (月)

からくり人形からロボットへ、田中久重(からくり儀右衛門とも、東芝創業者)、東芝未来科学館(神奈川県)、とは(2017.11.20)

 平和な江戸時代には、武士も庶民も我々が考える以上に遊び、生活を楽しんでいたという。その中から、「からくり」は、人々の遊び心や好奇心を満たす「玩具」として生まれ、そこには、日本の職人特有の創意、工夫、美しさへのこだわりなどが見られる。

 その技術は、茶運び人形、段返り人形、弓曳き童子、文字書き人形など、東芝創業者で、からくり儀右衛門と呼ばれた、(初代)田中久重(たなかひさしげ、1799~1881,久留米、福岡)の作品にも見られ、東芝未来科学館(神奈川県)では展示と実演もある。

 現在では、「からくり人形」は、搬送ロボット(ドリームキャリー)、ロボット掃除機(クリーナー)のほか、ペットロボット(アイボ、ソニー)、二足歩行ロボット(アシモ、ホンダ)、医療介護ロボット(パートナー、トヨタ)など、人々の家事代行、心の癒し、身体機能の改善、補助などを提供する、「ロボット」に姿を変えて、その伝統が受け継がれている。

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茶運び人形茶酌娘」 江戸時代後期、田中久重(からくり儀右衛門とも)東芝未来科学館( 神奈川県)

 茶酌娘(ちゃしゃくむすめ)は、移動・停止する距離(3mぐらいまで)、運ぶ茶碗の数を自由に調整できる。そして、客の前に来たら止まり、最後の茶碗が戻った段階で再び動きだし、回転して元の位置に戻るというように、一連の動作をする。あたかも人形が自分の意志で動いたり止まったりしているように見える。

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茶運び人形、実演、東芝未来科学館(神奈川県)、YouTube(早坂房次): https://youtu.be/9k2f__Ey9_U

  茶運び人形の構造は西洋から伝わった機械時計を応用しています。皿に茶碗を置くと腕が下がり、腕の動きに連動して歯車のストッパーがはずれて、歯車が回転し始めるしくみ。動力源にはクジラのヒゲ(ゼンマイ!)が使われている。

からくり人形からロボットへ江戸の天才技術者、田中久重(からくり儀右衛門とも)、東芝未来科学館(神奈川県)、YouTube(Jawakajk): https://youtu.be/lS9zmqxFm2M

(Link)

〇 東芝未来科学館(ホームページ、神奈川県):http://toshiba-mirai-kagakukan.jp/

〇 ロボット大国・ニッポンのルーツは「からくり人形」 ~江戸東京博物館「夢大からくり展2007」 : https://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/01/09/322.html

〇 からくり師弁吉、大野弁吉(加賀、石川)、平賀源内(讃岐、香川)、からくり儀右衛門(久留米、福岡)の技術にも匹敵、からくり人形ムービー、大野からくり記念館、とは:(2016.1.21): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-2370.html

 

2017年11月16日 (木)

野々村仁清(京焼色絵の祖)の色絵雉香炉(国宝)、色絵雌雉香炉(重要文化財)、石川県立美術館蔵、とは(2017.11.16)

 江戸時代、野々村仁清(京焼色絵の祖)によって作られた、色絵雉香炉(国宝)、また、色絵雌雉香炉(重要文化財)は、石川県立美術館(金沢)が所蔵、一般の人々が鑑賞できるよう、常設展示されています。

 
 雄の雉香炉(国宝)は、尾を水平に延ばし鋭く前方を見る姿が、色彩豊かに表現されています。一方、雌の雉香炉(重要文化財)は、尾を斜めに上げ、毛繕いしている姿が、地味な色合いで表現されています。
 
 金沢城址の金沢大学に勤務中、1969年(昭和44年)頃、近くの金沢伝統工芸館の展示場で、この香炉を初めて目にし、これが国宝なるものか!と感嘆しながら眺めたことを、今でも懐かしく思い浮かべます。

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色絵飾香炉、野々村仁清作、左 色絵雌雉香炉(重要文化財)、右 色絵雉香炉(国宝)、石川県立美術館蔵

(Link)

 〇 石川県立美術館(ホームページ):http://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/

 〇 野々村仁清(京焼色絵の祖)と国宝の色絵雉香炉(石川県立美術館蔵)、とは(2009.12.18): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/20091218-f284.html
 

2017年11月14日 (火)

国宝の筆跡、平安時代の能筆家、三筆(空海・嵯峨天皇・橘逸勢)と三蹟(小野道風・藤原佐理・藤原行成)、とは(2017.11.14)

 三筆(さんぴつ)は、平安初期の代表的な3人の能筆家空海弘法太師とも)・嵯峨天皇・橘逸勢。漢詩文の盛行など唐文化の強い影響下に、唐風の書法を発展させたと言われる。が、三筆の称が使われるのは江戸時代からである。

 これにならい、寛永の三筆(本阿弥光悦・近衛信尹・松花堂昭乗)、黄檗の三筆(隠元隆琦・木庵性瑨・即非如一)、幕末の三筆(市河米庵・貫名菘翁・巻菱湖)、明治の三筆(日下部鳴鶴・中林梧悟竹・巌谷一六)などの称も生まれた。

〇 三筆

空海(くうかい、774~835、弘法大師とも)

 漢詩文・書にすぐれ、前者は「性霊集」「高野雑筆集」などに収められ、「風信帖」「灌頂歴名」などは至宝とされる。

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弘法大師筆尺牘三通、風信帖(1通目)、空海が最澄の消息に答えた書状、平安時代、810年(弘仁元年)~812年(弘仁3年)、国宝、東寺(京都)蔵。

嵯峨天皇(さがてんのう、786~842)

 詩文・書道をよくし、書では三筆の一人に数えられる。空海の書風の影響が強く、最澄の弟子光定に与えた「光定戒蝶(こうじょうかいちょう」は真筆とされる。

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嵯峨天皇宸翰、光定戒牒、嵯峨天皇が最澄の弟子光定に与えた書状、平安時代、823年(弘仁14年)、国宝、延暦寺(京都)蔵。

橘逸勢(たちばなのはやなり、?~842))

 三筆の一人で、隷書体(れいしょたい)を得意とし、書名は高いが、真跡とされるものはない。

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伊都内親王願文、伊都内親王が香灯読経料として寄進した際の願文、平安時代、833年(天長10年)、御物(ぎょぶつ、日本の皇室の私有品)。

 三蹟(さんせき、三跡とも)は、平安中期の代表的な3人の能筆家小野道風・藤原佐理(すけまさ)・藤原行成和様の書法は、道風が基礎を築き、佐理を経て、行成が完成したとされる。 この3人は平安後期から能書にあげられている。が、三蹟が使われるのは江戸時代からである。

 三蹟

小野道風(おののとうふう、みちかぜ、とも、894?~966)

 書家、醍醐・朱雀・村上の3朝に仕え、能書として重用された。その筆跡は野蹟(やせき)とよばれ、三蹟の一人に数えられる。和様書道の創始者として、日本書道史上最も重要な位置を占める。伝称筆跡が多いが、「智証太師諡号勅書」「屏風土代」「玉泉帖」などが真跡として認められている。

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円珍贈法印大和尚位並智証大師謚号勅書彩箋墨書、朝廷より円珍に智証大師の謚号が贈られた時(円珍没後36年目)に執筆、平安時代、927年(延長5年)、国宝、東京国立博物館蔵。

藤原佐理(944~998、ふじわらのすけまさ)

 三蹟の一人で、王義之や小野道風の書を基に、味わい豊かな書風を確立。その書は生前から珍重され、詩懐紙のほか「離洛帖」などの消息がある。筆跡は佐跡とよばれている。

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書状(国申文帖)  藤原佐理筆 、 伊予権守を兼ねることになった佐理が丹波守藤原為雅宛てに出した仮名書道の詫び状、平安時代、982年(天元5年)、 春敬記念書道文庫(東京)蔵。

藤原行成(ふじわらのゆきなり、こうぜい、とも、972~1027)

 学才と能書で知られ、小野道風の書を基に、明るい温雅な書風を確立させ、和様書道の大成者とされる。三蹟の一人で、「白楽天詩巻」、「白氏詩巻」などがあり、また多くの古筆の筆者に擬される。その家系は行成の建てた寺に因み世尊寺流と称され、書の主流となった。

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白氏詩巻  藤原行成筆、赤紫・薄茶などの料紙に唐の白居易の白氏文集の詩を揮毫したもの、 平安時代、1018年(寛仁2年)、国宝、 東京国立博物館蔵。

(Link)

 〇  空海(弘法大師)と書(風信帖、飛白書、雑体書)、五筆和尚、筆の誤り、筆を選ばず、とは(2009.11.13): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/20091113-1bba.html

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弘法大師像(談義本尊)、鎌倉時代の代表的な画像、宸筆の讃、すなわち弘法大師画像上下の余白に、後宇多法王が自筆で讃を加え、1313年(正和2年)教王護国寺西院の談義本尊として施入されたものである。 

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請来目録の筆跡対照、左より、最澄筆、空海筆(恵果阿闍梨)、次いで、最澄筆、空海筆(青龍寺和尚)

(参考文献) 秋季特別公開図録「弘法大師の書とその周辺」、1987年(昭和62年)9月30日、東寺(教王護国寺)宝物館

2017年11月10日 (金)

加賀の千代女(加賀國松任の俳人)、画賛軸、四季折々の風情の俳画、とは(2017.11,10)

 加賀の千代は、江戸中期の女流俳人で、「朝顔や つるべとられて もらひ水」の句で広く知られる。1708年(元禄16年)、加賀国松任(現石川県白山市)の表具師の娘として生まれた。

 彼女が一生涯で詠んだ、約1700の句には、四季折々の風情が、数多く詠み込まれている。中でも「画賛軸」と呼ばれる、俳画作品は、昔から俳句愛好家たちの間で珍重されてきた。

〇 千代女四季の画賛

春の句 花にさへ 出ほしむあしを わかなかな

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春の句は、若菜の絵が添えられた新年の句。県立歴史博物館所蔵品。

夏の句 清水には 裏も表も なかりけり

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夏の句は、写実的な描写の句。片膝をついて座った構図で、71歳の時の千代女が浮世絵師によって描かれている。前書き「真如平等」、仏の教えを詠んだものという。白山市指定文化財。

秋の句 百生や つるひとすじの 心より

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秋の句は、ヒョウタンが描かれた句。永平寺参拝、禅師、「三界唯心」、一念の心に三千の諸法を具すを詠み込む!千代女が最も好きな作品という。県立歴史博物館所蔵品。

冬の句 髪を結ぶ 手の隙あけて こたつかな

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冬の句は、剃髪した時の心情を詠んだとされる句。片膝をついて座った構図で、71歳の時の千代女自身が絵を描いたという。千代尼画自画像「髪を結ふ」の句竪幅、白山市指定文化財。

絵に千代女の句を添えた画賛軸 、千代尼、73歳、辞世の句は、「月も見て 我はこの世を かしく哉(かな)」でした。

(Link)

 千代女の里俳句館: http://haikukan.city.hakusan.ishikawa.jp/index.html

 加賀の千代女(加賀國松任の俳人)にまつわる歴史逸話、朝顔に(朝かほに、
句屏風、俳画)、鬼瓦、蚊帳のなか、朝鮮通信使、とは(2009.7.3):

http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/200973-e172.html

2017年11月 4日 (土)

紅葉の季節(11月3日)、世界三大紅葉樹、ニシキギ、ニッサボク類似のノムラモミジ、スズランノキ類似のドウダンツツジ、県民の杜の風景、とは〈2017.11.4)

 昨日、文化の日(11月3日)は、気温11~21℃、湿度65%、朝から好天気に恵まれました。久しぶりに、近くの県民の杜を散策し、遊歩道沿いに季節の移ろいを観察しました。

 紅葉は、最低気温が10℃以下になること、また最高と最低の気温差が15℃より大きくなることも要因の一つです。そのとき、緑葉に糖類が蓄積され、葉緑素が分解して、アントシアニンなどの色素が形成され、綺麗な紅葉となります。

 特に、世界三大紅葉樹と言われる、ニシキギ(ニシキギ科)、ニッサボク(ニッサ木、ヌマミズキ科)類似のノムラモミジ(野村紅葉、カエデ科)、スズランノキ(鈴蘭の木、ツツジ科)類似のドウザンツツジ(満天星躑躅、ツツジ科)など、鮮やかな紅葉の風景をデジカメに収めました。

〇 ニシキギ

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ニシキギ(錦木、ニシキギ科)、石川県庁東側、鞍月セントラルパーク西側の生け垣、
金沢市鞍月1丁目、2017.11.3

〇 ノムラモミジ

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ノムラモミジ(野村紅葉、カエデ科)、石川県庁南側、県民の杜の遊歩道沿いの庭木、金沢市鞍月1丁目、2017.11.3

〇 ドウダンツツジ

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ドウダンツツジ(満天星躑躅、ツツジ科)、石川県庁南側、駐車場内側と遊歩道沿い生垣のドウザンツツジ、金沢市鞍月1丁目、2017.11.3

(Link)

 〇 落葉樹の紅葉と落葉模様(11月14日)、県民の杜の遊歩道沿いの庭木と生け垣(2016.11.15): http://kanazawa-kuratuki.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/20161115-fcee.html

 〇 初冬の公園樹、街路樹、庭木の落葉樹の多彩な色模様、とは(2016.11,17):http://kanazawa-kuratuki.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-b1da.html

2017年11月 2日 (木)

西国三十三所、観音さまの慈悲に出会う旅、日本最古の巡礼の道、とは(2017.11.2)

 日本最古の巡礼の道とされる西国三十三所は来年、開創1300年を迎える。京都や奈良など、近畿地方を中心に、2府5県にまたがり、道のり1千キロ、33寺院観音さま観世音菩薩)がまつられた霊場である。 

  33の数は、観音経(法華経の一章)に説かれる、観音さまが、聖観音や十一面観音、千手観音など、33の姿に身を変え、悩み苦しむ人々の声を聞き、求めに応じて、救いの手をさしのべてくれる!

 順序は、平安時代、1150年(久安6年)の長谷僧正(参詣次第)、1161年(応保元年)の覚忠(三十三所巡礼紀)等に見られる。 和歌山県の那智の青岸渡寺を第1番とし、岐阜県の谷汲山の第33番の華厳寺を納めとする

 平安中期ごろ、花山上皇が、宝印(ほういん、寺社の護符や納経帳などに押印する宝珠形の印鑑)を掘り出し、地獄に落ちないように自ら巡拝し、三十三所を再興したと伝わる。平安後期には天皇や公家が巡るようになり、鎌倉時代から室町時代にかけ徐々に庶民にも広まった

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西国三十三所の観音菩薩巡礼(第1番 青岸渡寺~第33番 華厳寺)、1番 如意輪観音御前立、6番 十一面千手千眼観音、13番 如意輪観音御前立、18番 如意輪観音御前立、25番 千手観音、29番 馬頭観音御前立、西国三十三所草創1300年記念の「特別印」

〇 西国三十三所(さいごくさんじゅうさんしょ)

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第1番 那智山 青岸渡寺(せいがんとじ、天台宗、本尊は如意輪観世音菩薩)、http://www.saikoku33.gr.jp/place/1、もと那智の滝を中心にした、神仏習合の一大修験道場であったが、明治初期に青岸渡寺と那智大社に分離した。

和歌山県 1 青岸渡寺 2 紀三井寺(金剛宝寺) 3 粉河(こかわ)寺

大阪府 4 施福寺(槙尾寺) 5 葛(藤)井寺(剛琳寺)

奈良県 6  壺阪寺(南法華寺) 7 岡寺(竜蓋寺) 8 長谷寺(初瀬寺)

      9 興福寺南円堂

京都府 10 三室戸寺 11 上醍醐寺

滋賀県 12 正法(しょうぼう)寺(岩間寺) 13 石山寺 14 三井寺(園城寺)

京都府 15 観音寺(今熊野) 16 清水(きよみず)寺 17 六波羅密寺 

      18 頂法寺(六角堂) 19 行願寺(革堂) 20 善峰(よしみね)寺

      21 穴太(あのう)寺

大阪府 22 総持寺 23 勝尾(かつお)寺

兵庫県 24 中山寺 25 清水寺 26 一乗寺 27 円教寺

京都府 28 成相(なりあい)寺 29 松尾(まつお)寺

滋賀県 30 宝厳(ほうごん)寺 31 長命寺 32 観音正寺

岐阜県 33 華厳寺

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第33番 谷汲山 華厳寺(けごんじ、天台宗、本尊は十一面観世音菩薩) 、http://www.saikoku33.gr.jp/place/33、広い境内には、巡礼の満願・結願の地として、厳かな雰囲気がある。

(解説) 四国八十八ヵ所は、山岳信仰などに由来し、海辺や山中で苦行する道、辺路(へじ)が遍路(へんろ)になったとされる。同行二人(どうぎょうににん)といい、弘法大師と共に歩く。

 西国三十三所は、観音さまの慈悲を授かる巡礼で、遍路とは呼ばない。極楽浄土にいる阿弥陀如来と違い、観音さまはあえて浄土には行かない。現世で苦しむ人々を幸せにしようと誓いをたて、33の姿に身を変え、人々を救ってくれる。33とは、無限を意味し、あらゆる姿に身を変えて人々を救ってくれる!

 竹生島宝厳寺(ちくぶじまほうごんじ、滋賀県長浜市)の峰覚雄管主(かくゆうかんしゅ、住職)は、「観音さまは、正式には観世音菩薩。世の音を目で見るのではなく、苦しむ人の声なき声を心で観(み)る」、「心の豊かさがおろそかになった今こそ、観音さまの寺をお参りし、心の奥底に眠る心理を再発見してほしい」、と言う(朝日新聞:文化の扉、西国三十三所 慈悲の旅、2017.10.29)

(Link)

 〇 松尾芭蕉(奥の細道、那谷寺)にまつわる歴史紀行、石山の石より白し秋の風、この句の中の石は那谷寺(加賀)の石、それとも石山寺(近江)の石なのか、とは(2009.9.7): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/200997-2429.html 

 〇  空海(弘法大師)の仏道修行と霊場の謎、大龍嶽(21番札所、大龍寺、德島)、御厨人窟(24番札所、最御崎寺、高知)、高野山(奥の院、金剛峯寺、和歌山)、四国遍路の歴史、とは(2009.6.15): http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/2009615-7b36.html

(追加資料)

〇 国宝 「普賢菩薩騎象像」 

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国宝 「普賢菩薩騎象像」 平安時代 12世紀 東京・大倉集古館蔵

(解説) 普賢菩薩は,文殊菩薩とともに釈迦如来の脇侍です。文殊菩薩は獅子に,普賢菩薩は象にそれぞれ乗っています。また,文殊は智恵を,普賢は慈悲を表すと言われています。

〇 国宝 「普賢菩薩像」 

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国宝 「普賢菩薩像」 平安時代 12世紀 東京国立博物館蔵

(解説) 舞い落ちる花の下で白い象に乗る普賢菩薩を描いた、平安時代後期の仏画を代表する作品。普賢菩薩は、文殊菩薩とともに釈迦如来の脇に従う菩薩であるが、法華経を唱えて修行する者があれば、六本の牙をもった白象に乗って現れ、守護すると説かれている。

 

 

        

      

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