ボラ待ちやぐら漁、人と魚との根比べ、能登(七尾北湾)、穴水町新崎(鳳珠郡、石川県)、天文学者パーシバル・ローエル、とは(2017.6.2)
能登(七尾北湾)の穴水町新崎(鳳珠郡、石川県)で、2017年(平成29年)5月15日、江戸時代から始まる、伝統漁として知られる、ボラ待ちやぐら漁が始まりました。
やぐらの上から漁師がボラの群れを見張り、網の中にボラが入ったのを確かめ、網をたぐるという原始的な漁法で、まさに、人と魚との根比べを繰り広げました。
米国人天文学者パーシバル・ローエル(1855~1916, USA))は、著書「NOTO」の中で、この漁業用のやぐらを、怪鳥ロック(アラビア伝承に登場する怪鳥)の巣のようだと表現しています。
ローエルは、冥王星(プルート)の存在を予知したことで知られるほか、火星に知的生命体がいると唱え、現代の天文学に大きな影響を与えた。一方、旅行家として世界中を巡ったことでも知られ、日本には1883年(明治16年)に初来日。穴水には1889年の能登旅行の中で訪れ、後に紀行本「NOTO」を出版している。ローエルは私財を投じて天文台を創設し、研究に没頭したという。
ボラ待ちやぐら漁、やぐらの上でボラの群れが網に近づくのを見張る漁師ら、能登(七尾北湾)、穴水町新崎(鳳珠郡、石川県)、2017.5.15
2017年(平成29年)5月15日、午前6時ごろ、高さ約10mのやぐらに漁師が上がり、真下に設置した間口25mの網へボラの群れがやってくるのを待ち構えました。3時間にわたって目を凝らしたが、現れたのは最大で8匹。網を引き揚げることなく、初日の漁は振るいませんでした。
ボラ待ちやぐら漁、能登(七尾北湾)、穴水町新崎(鳳珠郡、石川県)、YouTbe(hotishikawa): https://www.youtube.com/watch?v=aTLVthc_aqc
〇 ボラ
ボラ待ちやぐら大魚、能登(七尾北湾)、穴水町新崎(鳳珠郡、石川県)、(Google画像)、幸寿しブログ(素晴らしい能登、穴水町新崎のボラ待ちヤグラ大魚、2015.6.3):http://www.kouzushi.com/blog/2015/06/post-1726.html
ボラ(鯔、ボラ科)は、体は細長く、頭部は平たく、鱗は大きく硬い。生息域は、沿岸の浅場、河川汽水域、淡水域です。
出世魚で、成長により、イナセ(2~3㎝)、ハク、スバシリ、オボロ、イナ、ボラ(30から40cm)、トドなど、名前が変わります。最後にトドとなることから、とどのつまり(つまるところ、結局、ついに)の言葉の由来になっています。
やぐら漁は一度途絶えたものの、新崎・志ヶ浦地区里海里山推進協議会が復活させました。 岩田正樹会長(68)は「元々効率の悪い漁法で毎日取れるもんじゃないが、これからもずっと守っていきたい」と話していました。漁は7月末までほぼ毎日行われます。
(Link)
〇 ボラ(ボラ科、魚類、市場魚介類図鑑):
http://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%83%9C%E3%83%A9
(参考文献)
〇 北陸中日新聞: ボラ待ちやぐら漁始まる、穴水伝統漁ずっと守る、2017年(平成29年)5月16日(火)
パーシヴァル・ローウェル著: NOTO -能登・人に知られぬ日本の辺境- 、AN EXPLORED CORNER OF JAPAN 、十月社 1991年 (平成3年)
〇 北陸中日新聞(武藤周吉):ボラ待ちやぐら一新、穴水「能登のシンボル」PR,2017年(平成29年)8月10日(木)
新しく建て替えられた観光用のボラ待ちやぐら、穴水町中居で、2017.8.9.
(解説) 穴水町中居ポケットパーク前に立つボラ待ちやぐらが8月9日、新しく建て替えられた。町は多くの観光客に立ち寄ってほしいとPRしている。
新しいボラ待ちやぐらは総工費420万円。高さ12m、幅7~9,6mで、アテの丸太を20本以上組み合わせて造られている。以前のやぐらは1996年に建てられたもので、老朽化による損傷が目立っていた。
中居湾のやぐらは観光用のため実際の漁を見ることはできないが、能登半島の昔の暮らしを知ることができる。町の担当者は「能登の里山里海のシンボル。ドライブのついでに見に来てほしい」と話している。
〇 ボラ待ちやぐら船出”漁好” 穴水で40匹引き揚げ 2018.5.21
穴水町新崎の穴水湾で21日、町の伝統漁として知られる「ボラ待ちやぐら漁」が始まった。昨年の初漁では銀ボラの捕獲がゼロだったが、今年は40匹を記録。年間捕獲量「5千匹」の目標に向け、幸先の良いスタートを切った。(北陸中日新聞、2018.5,21)
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