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2017年5月30日 (火)

囲碁AIと最強棋士、三番勝負(5月23日~27日)、アルファ碁(囲碁AI)が柯潔九段(最強棋士、中国)に全勝、とは(2017.5.30)

 グーグル(米国)傘下、ディープマインド社(英国)が開発した、囲碁AI(人工知能)「アルファ碁」と「世界最強」とされる、柯潔(カ・ケツ)九段(19)との三番勝負が、5月23日(火)、5月25日(木)、5月27日(土)、中国浙江省の烏鎮(うちん)で行われました。

 その結果は、第1局、アルファ碁白番1目半勝ち、第2局、アルファ碁黒番中押し勝ち、第3局、アルファ碁黒番中押し勝ちとなり、アルファ碁が3局全勝と圧倒しました。 この対局で、アルファ碁はミスのない安定した力を発揮し続け、AIの飛躍的な進歩を証明しました。

〇 第1局

Photo

    

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● Ke Jie vs ○ alpha Go 、Go(YouTube): https://youtu.be/wBBHiZM07MQ、2017/05/25 公開、先番、黒の6目半コミ出し、アルファ碁白1目半勝ち、柯潔九段(中国)の惜敗。

(解説)

第1局、黒番の柯九段は序盤、アルファ碁の得意手を逆用するなどして攻めたが、アルファ碁は的確に対応。危なげなく寄り切った。

 柯は終局後「アルファ碁は自分がどんなに努力しても無駄なほど強くなった。神様みたいな棋士に感じた。あと2局、せめて少しでも苦労させるように全力を尽くす」と話した。

第2局、白番の柯九段は、序盤AIの弱点とされる乱戦に引き込み、中盤から積極的に仕掛けて激しい戦いとなった。会場は「人間にチャンス」とわいたが、アルファ碁はうまく応じて徐々にリードを広げ、柯九段の悪手が出て一気に崩れ、投了した。

 対局後、柯九段は「チャンスで心臓がどきどきしてしまった。人間の最大の弱みが出た。勝てるチャンスがあったので悔しい」と話した。一方、アルファ碁の能力の高さを称賛し「(AIに比べ)囲碁を理解する人間の能力には限界がある」と語った。ディープマインドのデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)は「柯九段は最初の15手まで完璧で、100手まではほぼ互角、これまでの人間との対局で最も接戦になった」と柯九段をたたえた。

第3局、柯九段は得意の白番を希望して臨んだが、アルファ碁が序盤からリードし、そのまま押し切り、最後は大石を仕留められ投了した。中国メディアによると、柯九段は対局中に席を離れ、むせび泣いた。この日の自身の打ち手に全く納得いかなかったといい「負けてしまってつらい」とうなだれた。ハサビス氏は今年中にアルファ碁に関する論文を発表するとした。

 柯九段は対局後の記者会見で「相手が完璧で力の差が大きすぎた。苦しくてたまらない。もうつらい思いはしたくない」と語った。

 この対局は、グーグルや中国囲棋協会などが共催する「Future of Go Summit(囲碁の未来サミット)」の目玉イベントとして行われました。 対局条件は、黒,先番6目半コミ出し、持ち時間3時間、秒読み1分5回、対局料は30万ドル(約3,400万円)、賞金は150万ドル(約1億7,000万円)でした。

 1対1で戦うボードゲームの中で、囲碁は着手の選択肢が天文学的に多いことからAIにとって最難関とされ、今回の対局は「人類対機械の最終決戦」とも言われていました。が、AIはチェス、将棋に続いて囲碁にも完勝し、1対1のボードゲームでの人間対AIの戦いに決着をつけました。 

 ディープマインドのデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)は、「AIの大きな可能性を示せた」と述べた上で、「対局は今回で最後にする!」と述べ、今後はよりアルゴリズムを進化させ、「汎用性AI]の開発を加速させると表明しました。

 アルファ碁は、膨大な情報からAIが自ら学習し、判断能力を高める「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる技術を採用し、過去の対局データを学習するほか、自己対局を重ねて圧倒的な力を付けました。

 現地で観戦を続けていた日本棋院所属の王銘琬九段は「人間とAIの対決はこれで一区切りついた。今後は(囲碁を含め)AIをどのように利用していくかが問われる」と話しました。

 井山裕太六冠は、朝日新聞の取材に「対局を見て、人間が勝ち切るのは相当難しいと感じた。はっきり人間を超えたと思う。ただスポーツと同様、囲碁にも人間同士の戦いでしか与えられない感動が必ずあり、今後の棋士の戦いの価値が落ちるとは思わない。むしろAIは棋士がさらに進歩するきっかけを与えてくれた」と述べました。

 囲碁AIを劇的に進化させた「ディープラーニング(深層学習)」技術は、既にエネルギーや医療などの分野で実用化されています。グーグルによると、グーグルの全サービスを供給するデータセンターの冷却システムに導入し、消費電力を4割削減したほか、網膜の画像から病巣を検知して失明を防ぐシステムなどに活用されているという。

 ハビス氏は「アルファ碁は始まりにすぎない。既に、医療、省エネ、新材料開発で新天地を切り開いている」と述べました。

(Link 

 〇 Future of Go Summit(囲碁の未来サミット)、柯潔九段vs.アルファ碁、ライブ中継(パンダネット): https://www.pandanet.co.jp/event/fogs/

 〇 NEWS(2017.5.28.SUN.13.00)「AlphaGo」という”神”の引退と人類最強の19歳が見せた涙の意味;ゲンチレポート: http://wired.jp/2017/05/28/future-of-go-summit-day5/

 〇 囲碁、アルファ碁(グーグルの人工知能) と 李世ドル九段(世界最強レベルの棋士)が対局、李世ドル(イセドル)九段は5番勝負の第4戦でようやく1勝、とは(2016.3.19):http://kanazawa-sakurada.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/vs-a0a6.html
 

(参考文献) 

 朝日新聞:AIvs.人間 決戦へ 中国で三番勝負 23日から、アルファ碁、チェスの神童が開発者に、柯潔九段、若き王者「聖地渡さない」2017年(平成27年)5月19日(金)。 

 朝日新聞:囲碁AI、最強棋士に全勝、柯潔九段「力の差が大きすぎた」2017年(平成27年)5月28日(日)。北陸中日新聞:アルファ碁3局全勝最強棋士「完璧 欠点ない」、2017年(平成27年)5月28日(日)。

(追加説明、話題) 

 棋界AIに完敗の衝撃

 人工知能(AI)が人間の能力を超え、人類の存在意義や社会のあり方が大きく変わる日「シンギュラリティ」は訪れるのか。研究者の間では様々な議論が飛び舞うが、ボードゲームの世界では2017年(平成29年)5月、囲碁と将棋の第一人者がAIに相次いで完敗。他の分野に先駆けてその日が到来した。棋界の衝撃は実社会に及ぶのか。

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左 将棋、ポナンザに敗れた佐藤天彦名人、2017年5月20日、兵庫県姫路市の姫路城

右 囲碁、対局に敗れ盤面に見入る柯潔九段(左), 2017年5月25日、中国浙江省烏鎮、グーグル提供

(朝日新聞(大出公二、村瀬信也): 棋界AIに完敗の衝撃 、深層学習で人類抜き去る、アルファ碁vs. 柯潔九段(囲碁) ポナンザvs. 佐藤名人(将棋)、思考過程の可視化必須/「神格化は怖い」、2017年(平成29年)6月9日(土)より)

 

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